2:8あなたがたは、むなしいだましごとの哲学で、人のとりこにされないように、気をつけなさい。それはキリストに従わず、世のもろもろの霊力に従う人間の言伝えに基くものにすぎない。
2:9キリストにこそ、満ちみちているいっさいの神の徳が、かたちをとって宿っており、
2:10そしてあなたがたは、キリストにあって、それに満たされているのである。彼はすべての支配と権威とのかしらであり、
2:11あなたがたはまた、彼にあって、手によらない割礼、すなわち、キリストの割礼を受けて、肉のからだを脱ぎ捨てたのである。
2:12あなたがたはバプテスマを受けて彼と共に葬られ、同時に、彼を死人の中からよみがえらせた神の力を信じる信仰によって、彼と共によみがえらされたのである。
2:13あなたがたは、先には罪の中にあり、かつ肉の割礼がないままで死んでいた者であるが、神は、あなたがたをキリストと共に生かし、わたしたちのいっさいの罪をゆるして下さった。
2:14神は、わたしたちを責めて不利におとしいれる証書を、その規定もろともぬり消し、これを取り除いて、十字架につけてしまわれた。
2:15そして、もろもろの支配と権威との武装を解除し、キリストにあって凱旋し、彼らをその行列に加えて、さらしものとされたのである。
2:16だから、あなたがたは、食物と飲み物とにつき、あるいは祭や新月や安息日などについて、だれにも批評されてはならない。
2:17これらは、きたるべきものの影であって、その本体はキリストにある。
2:18あなたがたは、わざとらしい謙そんと天使礼拝とにおぼれている人々から、いろいろと悪評されてはならない。彼らは幻を見たことを重んじ、肉の思いによっていたずらに誇るだけで、
2:19キリストなるかしらに、しっかりと着くことをしない。このかしらから出て、からだ全体は、節と節、筋と筋とによって強められ結び合わされ、神に育てられて成長していくのである。
2:20もしあなたがたが、キリストと共に死んで世のもろもろの霊力から離れたのなら、なぜ、なおこの世に生きているもののように、
2:21「さわるな、味わうな、触れるな」などという規定に縛られているのか。
2:22これらは皆、使えば尽きてしまうもの、人間の規定や教によっているものである。
2:23これらのことは、ひとりよがりの礼拝とわざとらしい謙そんと、からだの苦行とをともなうので、知恵のあるしわざらしく見えるが、実は、ほしいままな肉欲を防ぐのに、なんの役にも立つものではない。
3:1このように、あなたがたはキリストと共によみがえらされたのだから、上にあるものを求めなさい。そこではキリストが神の右に座しておられるのである。
3:2あなたがたは上にあるものを思うべきであって、地上のものに心を引かれてはならない。
3:3あなたがたはすでに死んだものであって、あなたがたのいのちは、キリストと共に神のうちに隠されているのである。
3:4わたしたちのいのちなるキリストが現れる時には、あなたがたも、キリストと共に栄光のうちに現れるであろう。
3:5だから、地上の肢体、すなわち、不品行、汚れ、情欲、悪欲、また貪欲を殺してしまいなさい。貪欲は偶像礼拝にほかならない。
3:6これらのことのために、神の怒りが下るのである。
3:7あなたがたも、以前これらのうちに日を過ごしていた時には、これらのことをして歩いていた。
3:8しかし今は、これらいっさいのことを捨て、怒り、憤り、悪意、そしり、口から出る恥ずべき言葉を、捨ててしまいなさい。
3:9互にうそを言ってはならない。あなたがたは、古き人をその行いと一緒に脱ぎ捨て、
3:10造り主のかたちに従って新しくされ、真の知識に至る新しき人を着たのである。
3:11そこには、もはやギリシヤ人とユダヤ人、割礼と無割礼、未開の人、スクテヤ人、奴隷、自由人の差別はない。キリストがすべてであり、すべてのもののうちにいますのである。
3:12だから、あなたがたは、神に選ばれた者、聖なる、愛されている者であるから、あわれみの心、慈愛、謙そん、柔和、寛容を身に着けなさい。
3:13互に忍びあい、もし互に責むべきことがあれば、ゆるし合いなさい。主もあなたがたをゆるして下さったのだから、そのように、あなたがたもゆるし合いなさい。
3:14これらいっさいのものの上に、愛を加えなさい。愛は、すべてを完全に結ぶ帯である。
3:15キリストの平和が、あなたがたの心を支配するようにしなさい。あなたがたが召されて一体となったのは、このためでもある。いつも感謝していなさい。
3:16キリストの言葉を、あなたがたのうちに豊かに宿らせなさい。そして、知恵をつくして互に教えまた訓戒し、詩とさんびと霊の歌とによって、感謝して心から神をほめたたえなさい。
3:17そして、あなたのすることはすべて、言葉によるとわざによるとを問わず、いっさい主イエスの名によってなし、彼によって父なる神に感謝しなさい。
3:18妻たる者よ、夫に仕えなさい。それが、主にある者にふさわしいことである。
3:19夫たる者よ、妻を愛しなさい。つらくあたってはいけない。
3:20子たる者よ、何事についても両親に従いなさい。これが主に喜ばれることである。
3:21父たる者よ、子供をいらだたせてはいけない。心がいじけるかも知れないから。
3:22僕たる者よ、何事についても、肉による主人に従いなさい。人にへつらおうとして、目先だけの勤めをするのではなく、真心をこめて主を恐れつつ、従いなさい。
3:23何をするにも、人に対してではなく、主に対してするように、心から働きなさい。
3:24あなたがたが知っているとおり、あなたがたは御国をつぐことを、報いとして主から受けるであろう。あなたがたは、主キリストに仕えているのである。
3:25不正を行う者は、自分の行った不正に対して報いを受けるであろう。それには差別扱いはない。
4:1主人たる者よ、僕を正しく公平に扱いなさい。あなたがたにも主が天にいますことが、わかっているのだから。
4:2目をさまして、感謝のうちに祈り、ひたすら祈り続けなさい。
4:3同時にわたしたちのためにも、神が御言のために門を開いて下さって、わたしたちがキリストの奥義を語れるように(わたしは、実は、そのために獄につながれているのである)、
4:4また、わたしが語るべきことをはっきりと語れるように、祈ってほしい。
4:5今の時を生かして用い、そとの人に対して賢く行動しなさい。
4:6いつも、塩で味つけられた、やさしい言葉を使いなさい。そうすれば、ひとりびとりに対してどう答えるべきか、わかるであろう。
4:7わたしの様子については、主にあって共に僕であり、また忠実に仕えている愛する兄弟テキコが、あなたがたにいっさいのことを報告するであろう。
4:8わたしが彼をあなたがたのもとに送るのは、わたしたちの様子を知り、また彼によって心に励ましを受けるためなのである。
4:9あなたがたのひとり、忠実な愛する兄弟オネシモをも、彼と共に送る。彼らはあなたがたに、こちらのいっさいの事情を知らせるであろう。
4:10わたしと一緒に捕われの身となっているアリスタルコと、バルナバのいとこマルコとが、あなたがたによろしくと言っている。このマルコについては、もし彼があなたがたのもとに行くなら、迎えてやるようにとのさしずを、あなたがたはすでに受けているはずである。
4:11また、ユストと呼ばれているイエスからもよろしく。割礼の者の中で、この三人だけが神の国のために働く同労者であって、わたしの慰めとなった者である。
4:12あなたがたのうちのひとり、キリスト・イエスの僕エパフラスから、よろしく。彼はいつも、祈のうちであなたがたを覚え、あなたがたが全き人となり、神の御旨をことごとく確信して立つようにと、熱心に祈っている。
4:13わたしは、彼があなたがたのため、またラオデキヤとヒエラポリスの人々のために、ひじょうに心労していることを、証言する。
4:14愛する医者ルカとデマスとが、あなたがたによろしく。
4:15ラオデキヤの兄弟たちに、またヌンパとその家にある教会とに、よろしく。
4:16この手紙があなたがたの所で朗読されたら、ラオデキヤの教会でも朗読されるように、取り計らってほしい。またラオデキヤからまわって来る手紙を、あなたがたも朗読してほしい。
4:17アルキポに、「主にあって受けた務をよく果すように」と伝えてほしい。
4:18パウロ自身が、手ずからこのあいさつを書く。わたしが獄につながれていることを、覚えていてほしい。恵みが、あなたがたと共にあるように。