そこで、わたしは問う、「彼らがつまずいたのは、倒れるためであったのか」。断じてそうではない。かえって、彼らの罪過によって、救が異邦人に及び、それによってイスラエルを奮起させるためである。
11:13そこでわたしは、あなたがた異邦人に言う。わたし自身は異邦人の使徒なのであるから、わたしの務を光栄とし、
11:14どうにかしてわたしの骨肉を奮起させ、彼らの幾人かを救おうと願っている。
11:15もし彼らの捨てられたことが世の和解となったとすれば、彼らの受けいれられることは、死人の中から生き返ることではないか。
11:16もし、麦粉の初穂がきよければ、そのかたまりもきよい。もし根がきよければ、その枝もきよい。
11:17しかし、もしある枝が切り去られて、野生のオリブであるあなたがそれにつがれ、オリブの根の豊かな養分にあずかっているとすれば、
11:18あなたはその枝に対して誇ってはならない。たとえ誇るとしても、あなたが根をささえているのではなく、根があなたをささえているのである。
11:19すると、あなたは、「枝が切り去られたのは、わたしがつがれるためであった」と言うであろう。
11:20まさに、そのとおりである。彼らは不信仰のゆえに切り去られ、あなたは信仰のゆえに立っているのである。高ぶった思いをいだかないで、むしろ恐れなさい。
11:21もし神が元木の枝を惜しまなかったとすれば、あなたを惜しむようなことはないであろう。
11:22神の慈愛と峻厳とを見よ。神の峻厳は倒れた者たちに向けられ、神の慈愛は、もしあなたがその慈愛にとどまっているなら、あなたに向けられる。そうでないと、あなたも切り取られるであろう。
11:23しかし彼らも、不信仰を続けなければ、つがれるであろう。神には彼らを再びつぐ力がある。
11:24なぜなら、もしあなたが自然のままの野生のオリブから切り取られ、自然の性質に反して良いオリブにつがれたとすれば、まして、これら自然のままの良い枝は、もっとたやすく、元のオリブにつがれないであろうか。
11:25兄弟たちよ。あなたがたが知者だと自負することのないために、この奥義を知らないでいてもらいたくない。一部のイスラエル人がかたくなになったのは、異邦人が全部救われるに至る時までのことであって、
11:26こうして、イスラエル人は、すべて救われるであろう。すなわち、次のように書いてある、
「救う者がシオンからきて、
ヤコブから不信心を追い払うであろう。
11:27そして、これが、彼らの罪を除き去る時に、
彼らに対して立てるわたしの契約である」。
11:28福音について言えば、彼らは、あなたがたのゆえに、神の敵とされているが、選びについて言えば、父祖たちのゆえに、神に愛せられる者である。
11:29神の賜物と召しとは、変えられることがない。
11:30あなたがたが、かつては神に不従順であったが、今は彼らの不従順によってあわれみを受けたように、
11:31彼らも今は不従順になっているが、それは、あなたがたの受けたあわれみによって、彼ら自身も今あわれみを受けるためなのである。
11:32すなわち、神はすべての人をあわれむために、すべての人を不従順のなかに閉じ込めたのである。
11:33ああ深いかな、神の知恵と知識との富は。そのさばきは窮めがたく、その道は測りがたい。
11:34「だれが、主の心を知っていたか。
だれが、主の計画にあずかったか。
11:35また、だれが、まず主に与えて、
その報いを受けるであろうか」。
11:36万物は、神からいで、神によって成り、神に帰するのである。栄光がとこしえに神にあるように、アァメン。