口語訳聖書(1954/1955年版)
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黙示録
伝道の書 1
伝道の書
第1章
1:1
ダビデの子、エルサレムの王である伝道者の言葉。
1:2
伝道者は言う、
空の空、空の空、いっさいは空である。
1:3
日の下で人が労するすべての労苦は、
その身になんの益があるか。
1:4
世は去り、世はきたる。
しかし地は永遠に変らない。
1:5
日はいで、日は没し、
その出た所に急ぎ行く。
1:6
風は南に吹き、また転じて、北に向かい、
めぐりにめぐって、またそのめぐる所に帰る。
1:7
川はみな、海に流れ入る、
しかし海は満ちることがない。
川はその出てきた所にまた帰って行く。
1:8
すべての事は人をうみ疲れさせる、
人はこれを言いつくすことができない。
目は見ることに飽きることがなく、
耳は聞くことに満足することがない。
1:9
先にあったことは、また後にもある、
先になされた事は、また後にもなされる。
日の下には新しいものはない。
1:10
「見よ、これは新しいものだ」と
言われるものがあるか、
それはわれわれの前にあった世々に、
すでにあったものである。
1:11
前の者のことは覚えられることがない、
また、きたるべき後の者のことも、
後に起る者はこれを覚えることがない。
1:12
伝道者であるわたしはエルサレムで、イスラエルの王であった。
1:13
わたしは心をつくし、知恵を用いて、天が下に行われるすべてのことを尋ね、また調べた。これは神が、人の子らに与えて、ほねおらせられる苦しい仕事である。
1:14
わたしは日の下で人が行うすべてのわざを見たが、みな空であって風を捕えるようである。
1:15
曲ったものは、まっすぐにすることができない、
欠けたものは数えることができない。
1:16
わたしは心の中に語って言った、「わたしは、わたしより先にエルサレムを治めたすべての者にまさって、多くの知恵を得た。わたしの心は知恵と知識を多く得た」。
1:17
わたしは心をつくして知恵を知り、また狂気と愚痴とを知ろうとしたが、これもまた風を捕えるようなものであると悟った。
1:18
それは知恵が多ければ悩みが多く、
知識を増す者は憂いを増すからである。
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